楽器相場ドットコム
アンプ

ギター・ベースアンプの買取相場の見方

アンプの買取は「本体の状態」だけでは決まらない

ギターアンプ・ベースアンプの買取相場は、同じブランドでも数千円のモデルから十数万円のモデルまで幅がある。値段差の理由は「状態が良いか悪いか」だけでなく、①真空管かソリッドステート・デジタルか、②ヘッド・コンボ・キャビネットのどの形状か、③本体の重さと搬出のしやすさ、という3つの要素が絡んでいる。ここでは実際に収集した買取相場データをもとに、この3点を整理する。

真空管かソリッドステート・デジタルかで査定の水準が変わる

真空管(チューブ)アンプの代表格であるMarshall JCM800 2203 100Wは、中古¥42,000/美品¥58,000/新品同様¥72,000というレンジになっている(出典:楽器買取Qsic)。真空管を積んだハンドワイヤード仕様の1958X Hand Wired Seriesも中古¥60,000/美品¥85,000/新品同様¥110,000と高水準だ(出典:楽器買取Qsic)。

一方、同じMarshallブランドでもCODE100Hはデジタルモデリングのコンボアンプで、中古¥17,000/美品¥20,000/新品同様¥23,000にとどまる(出典:楽器買取Qsic)。真空管を積んでいるDSL100H(中古¥27,500/美品¥37,000/新品同様¥42,000)やOrigin50H(中古¥18,500/美品¥25,000/新品同様¥36,500)と比べても、モデリング機の査定水準は控えめになりやすい。

ソリッドステートの代表機種であるRoland JC-120は、通常モデルが22,000円、エフェクトループ付きモデルが35,000円(出典:楽器買取Qsic)。JC-120は「ソリッドステートでも定番機種は相応の値がつく」例といえる。

対照的に、真空管を積まないデジタルプロファイリングアンプのKemper Profilerは、Profiler Stageが中古72,000円/美品82,000円/新品同様94,000円、Profiler Headが中古58,000円/美品72,000円/新品同様82,000円(いずれも出典:楽器買取Qsic)と、真空管ヘッドに匹敵する水準がついている。真空管かどうかだけで単純に高い・安いが決まるわけではなく、機種そのものの需要が反映される。

同じ型番でも業者によって提示額に差が出ることがある

Marshall JCM800 1959は、楽器買取Qsicでは中古¥32,000/美品¥45,000/新品同様¥52,000、イーストマウンテンでは新品相当80,000円/使用品75,000円/使用品65,000円という数字が出ている(出典:楽器買取Qsic、イーストマウンテン)。JVM410Hも同様に、Qsicでは中古¥46,000/美品¥65,000/新品同様¥85,000、イーストマウンテンでは新品相当60,000円/使用品55,000円/使用品45,000円と幅がある(出典:楽器買取Qsic、イーストマウンテン)。買取業者ごとに得意ジャンルや在庫状況が違うため、同じ型番でも提示額に差が出ることは珍しくない。1社の提示額だけで判断せず、複数の相場情報を見た上で検討するのが現実的だ。

ヘッド・コンボ・キャビネットで査定の考え方が違う

アンプはヘッド(アンプ部単体)、コンボ(アンプとスピーカーが一体)、キャビネット(スピーカー部のみ)の3形状に分かれ、それぞれ査定のされ方が異なる。

ヘッド単体は中身の真空管・トランス・基板の価値が査定に直結しやすい。Mesa/BoogieのMARK5は130,000〜115,000円のレンジと80,000〜65,000円のレンジが並んで示されており、個体の状態や仕様で査定額が変わる(出典:イーストマウンテン)。JP-2C(John Petrucci Signature)は新品同様200,000円〜/使用感なし190,000円〜/使用感あり160,000円〜と、ハイエンドヘッドらしい高水準だ(出典:イーストマウンテン)。

コンボはアンプとスピーカーが一体化した形状で、Fender Hot Rod Deluxe III(38,000円)やVOX AC30HW2X(58,000円)のように、スピーカーの状態も含めて一つの査定額になる(出典:楽器買取Qsic)。コーン紙の破れやビビリ音などスピーカー側の不具合は、アンプ部が良好でも査定額を押し下げる要因になりやすい。

OrangeのRockerverb 100 MK III Head(100,000円)やThunderverb 200(100,000円)のようなヘッドは、単体でもキャビネットと組み合わせて使う前提の機種で、ヘッドとキャビネットをセットで手放すか、ヘッド単体で手放すかによって話の進め方が変わってくる(出典:楽器買取Qsic)。

重さと搬出経路も査定の進めやすさを左右する

真空管アンプは電源トランス・出力トランスを内蔵している分、同じ見た目のソリッドステート機よりも重い傾向がある。Mesa/BoogieのDual Rectifier ROADSTER(105,000〜90,000円)やTriple Rectifier SOLO(100,000〜85,000円)のような大型ヘッドは、本体重量が重く、査定額自体には影響しなくても、持ち出しや梱包の手間は大きくなる(出典:イーストマウンテン)。

対してAERのAcoustiCube3(110,000円)のようなアコースティック楽器向けの軽量設計コンボは、査定額が同水準でも運び出しの負担は小さい(出典:楽器買取Qsic)。YAMAHA THR10X(13,500円)のような小型モデリングアンプも同様に、持ち運びのしやすさが特徴になる(出典:楽器買取Qsic)。

エレベーターのない集合住宅、階段の多い建物、車を横付けできない立地などは、査定額そのものを直接下げる要素ではないが、買取を依頼する際に業者へ事前に伝えておくべき情報だ。大型ヘッドやキャビネットを複数台まとめて手放す場合は特に、搬出経路を先に確認しておくと話がスムーズに進む。

楽器相場ドットコムでは、こうした真空管かどうか、ヘッド・コンボ・キャビネットの形状、複数業者の実勢価格といった情報を、出典つきのデータベースとして中立的に整理している。手元のアンプがどのあたりの水準にあるか、まずは相場データで確認してみてほしい。

よくある質問

Q. 真空管を交換したばかりのアンプは買取額が上がりますか?

真空管の状態は査定項目の一つとして見られることが多いが、交換直後だからといって査定額が一律に上がるとは限らない。本体の年式・型番・付属品の有無など他の要素も含めて総合的に判断されるため、交換履歴がある場合は査定時に業者へ伝えておくとよい。

Q. スピーカーに不具合があるコンボアンプでも売れますか?

コーン紙の破れやビビリ音があっても買取自体は可能な場合が多いが、アンプ部が正常でもコンボは一体で査定されるため、スピーカーの不具合は査定額を下げる要因になりやすい。修理してから売るか、現状のまま査定に出すかは、修理費用と査定額の差を比べて判断するのが現実的だ。

Q. 同じシリーズでも型番違いで買取額に差が出るのはなぜですか?

Marshallの真空管ヘッドを例にすると、JCM800 2203 100Wは中古¥42,000/美品¥58,000/新品同様¥72,000、同じJCM800シリーズの1959は中古¥32,000/美品¥45,000/新品同様¥52,000というレンジになっている(出典:楽器買取Qsic)。型番ごとに回路構成や出力、流通量が異なるため、シリーズ名が同じでも査定額のレンジは型番単位で変わる。

Q. ヘッドとキャビネットは別々に売った方がいいですか、セットがいいですか?

一般的にはセットで揃っている方が買い手にとって使いやすく、買取査定でも手間なく進みやすい傾向がある。ただしヘッドとキャビネットで別のブランド・型番を組み合わせて使っている場合は、それぞれ別々に査定してもらった上で、まとめて依頼するかどうかを比較検討するとよい。

Q. 搬出が難しい場所にあるアンプでも査定してもらえますか?

エレベーターのない建物の上層階や、車を横付けできない立地でも査定自体は可能なことが多いが、大型ヘッドや重量のあるコンボ・キャビネットは搬出の手間が発生する。査定を依頼する時点で建物の状況(階数・エレベーターの有無・駐車スペース)を伝えておくと、当日の搬出がスムーズに進みやすい。

あわせて読みたい